火星に水流れているかも?

火星に水流れているかも? 地表面の画像に筋状の線
2011年8月5日12時11分

冬から春先にかけての画像。地表に「筋」は写っていない=NASA、アリゾナ大学提供
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初夏のころの画像。細い「筋」が現れ始めている=NASA、アリゾナ大学提供
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真夏のころの地表。いくつもの「筋」が、くっきりと現れている=NASA、アリゾナ大学提供

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 火星に水の流れが存在している手がかりが得られたと、米アリゾナ大学などのチームが発表した。米航空宇宙局(NASA)の探査機が季節ごとに撮影した地表面の画像に、春から夏にだけ現れる「筋」のようなものが写っていた。チームは「塩類を含んだ水の流れと解釈するのが最も妥当」と説明している。

 5日付の米科学誌サイエンスに論文が掲載された。

 火星に液体の水があれば、微生物などが存在している可能性が高まる。NASAのボールデン長官も「火星に生命が存在するかどうかの決着に向けて前進した」と語った。

 火星の「筋」は、探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター」が撮影した。急な坂となっている複数の地点で見つかった。幅0.5~5メートル、長さ数百メートルで、岩と見られる部分を迂回(うかい)して進路を変えたり、平らな部分にたどりつくまでに消えてしまったりしているという。1地点で100本から1千本に上った。

 筋は、冬から春先にはなかったが、春の終わりから夏にかけて現れた。この間の最高気温は零下23~27度と推測され、塩類を含んだ水なら解けやすく、液体で存在しうるとしている。水の流れだと解釈すると、季節に応じて現れる理由が合理的に説明できる。冬に見えなくなる理由はわからないが、干上がるか凍結している可能性が考えられるという。

 この探査機は、地上の30センチの物体を見分けられる高解像度カメラを搭載しており、2006年以降、火星の上空から観測を続けている。

 火星には、水で土砂が運ばれてできたような地形がたくさんあり、かつては、水の流れが存在していたと考えられている。08年には火星に着陸した無人探査機が、地表近くの土から氷を見つけているが、液体の水の確認はされていない。(ワシントン=行方史郎)
by yakuraibosi | 2011-08-06 22:40 | Comments(0)
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