光の「粒子」と「波動」を同時に可視化、世界で初めて成功

光の「粒子」と「波動」を同時に可視化、世界で初めて成功



光が持つ「粒子」と「波」という二重の性質の可視化に、スイスの研究チームが初めて成功した。この実験の鍵となるのは、電子を媒体とする独自の撮影方法である。


波と粒子の性質の両方を捉える超高速電子顕微鏡 Photo: Fabrizio Carbone / EPFL

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光には「粒子」でも「波」でもあるという二重の性質があり、そのような性質をもつミクロの物質(素粒子、電子、原子、分子など)のことを「量子」と呼ぶ。この極小物質のふるまいは、ある意味とても直感に反するものだが、かの有名な二重スリット実験でも、光の二重性が確かめられている。発射されたひとつの粒子は、2つのスリットのどちらかを通過し、次の表面に「点」として着弾するが、これを何度も繰り返して合計すると、粒子の着弾の確率分布が干渉し合う波さながらに干渉縞を描くのだ。

問題は、粒子と波動、その両方の性質を、誰も同時に観測したことがないということである。そもそも量子が粒子のようにふるまうか、波のようにふるまうかは、観測方法によって変わる。しかし、それが粒子とも波ともつかぬ量子というものであり、この二重性の解釈は研究者らの頭を悩ませてきた。

このたびスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の研究チームは、ある実験方法により、粒子と波動の二重性を一度に可視化することに世界で初めて成功した。

通常、物質の撮影には光が必要とされるが、今回の実験のひねりは、その光自体をどうやって被写体とし、写し出すかというところに焦点があてられている。EPFLのファブリジオ・カルボーネ博士率いる研究チームは、光の二重性の可視化に「電子」を媒体として用いたのだ。

by yakuraibosi | 2015-03-30 23:01 | Comments(0)
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