ガンジーがヒトラーへ宛てた手紙「我が友よ」


ガンジーがヒトラーへ宛てた手紙「我が友よ」

2012年07月21日 ι コメント(121) ι 知る ι 歴史・文化 ι #

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 ガンジー(マハトマ・ガンディー:1869年10月2日 - 1948年1月30日)は、インド独立の父として知られる「非暴力、不服従」主義を提唱した人物。一方ヒトラー(アドルフ・ヒトラー:1889年4月20日 - 1945年4月30日)は、独裁者であり、人種主義的思想(ナチズム)を主張し、血統を汚すとされたユダヤ人や障害者迫害などの政策を行ったとされる人物である。

 両者は「善」の象徴、「悪」の象徴として取り上げられ、一見正反対のように見える。事実そういう風に扱われる事例が多いが、はたしてそうだろうか?人間の心には「善」も「悪」も混在しており、解釈や立場、状況が変われば「善」と「悪」は逆転する。光と影の関係のように、どこが照らされているかによって、人間の行為は変貌していくのだ。そもそも完璧なる善人も、絶対なる悪人も存在できようはずがない。それは表裏一体で個に混在しており、根本には同じ血が流れているのだから。


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ソース:Gandhi's Letter To Adolf Hitler
原文翻訳:konohazuku

 「我が友よ(Dear friend,)」で始まるこの手紙は、ヒトラーが、ひとつの民族全体を粛清しようとしていた1939年7月23日、ガンジーがヒトラーに宛てたものである。第二次世界大戦を始めないよう訴えるこの手紙の中で、ガンジーは、それでも自分はヒトラーの“誠実な友”であると考えていると書いている。

■手紙の内容■
我が友よ  1939年7月23日 インド ワルダにて

 人類のために、あなたに手紙を書くよう、友人たちからずっと言われてきましたが、私はその要求に抵抗していました。なぜなら、私からどんな手紙を差し上げても、適切ではないような気がしたからです。私がここで言うことは、他意があるものではなく、あくまでも私の意見を訴えるものです。

 現在、世界の中で、あなたが、人類を無法状態におとしめる戦争を回避できる人物のひとりであることは、間違いありません。あなたにとって計り知れない価値があるかもしれないものを、犠牲にしなくてはいけないのでしょうか? 戦争という手段をあえて巧みに回避してきた人間の訴えを、聞いてはもらえないでしょうか? あなたに手紙を書くという間違いを犯したのなら、どんな方法でも許しを請います。

ヒトラーへ ベルリン、ドイツ
心からいつもあなたの誠実な友 モハンダス・カラムチャンド・ガンディー

※"Dear friend"や"sincere friend"は一般的な英文手紙における形式的な挨拶として使用されているが、この手紙はガンジーが面識のないヒトラーに初めて宛てた手紙であり、ソース元である海外サイトでもガンジーがこの言葉を使用したのは、特別な意味(平和主義)を持っているとして扱われていた。

 この手紙がヒトラーの手に渡ったのかどうかは定かでない。ヒトラーに届く前に何者かによって隠ぺいされたとも言われているが、真相は不明である。

 徹底した非情なる民族主義を貫いたとされるヒトラーであったが、実際には完全に徹しきれていたわけではなかった。最近になって、ヒトラーがユダヤ人である元上官を救おうとしたことを示す書簡が見つかったそうだ。


by yakuraibosi | 2016-09-17 21:25 | Comments(0)
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